久しぶりに本の紹介。
遺伝子や進化を扱う科学系本ですが、もう、とんでもなく面白いです!
「ウマいっ!」と叫びたくなる言い回しがたくさんあって、たちまち付箋がいっぱいに
どんなことが書いてあるかというと…
完成したヒトゲノムに見つかった大量の「ジャンク」DNAは実はウィルス由来。というか、ウィルス自体が自分自身をコピー&ペーストして、人間のDNAになりすましているようなものなんだけど、そいつらは、もともとウィルスだっただけあって突然変異を起こす能力はめちゃくちゃ高くて、宿主の細胞が危機に見舞われた時に、いちはやく新しい変化を起こして、結果的に、人間のDNAを進化させてくれる共生体であるとか。
あるいは、遺伝子の配列がまったく同じでも、特定の物質と反応することで、その遺伝子が持つ働きの発現度に違いが出ることが分かって「エピジェネティクス(後成遺伝学)」というジャンルまでできているとか。
たとえば親がジャンクフードばかり食べて、栄養素に偏りがあると、胎内の子供は「外界は飢餓状態である」と判断して、栄養をためこみやすい身体=太りやすい体質で生まれてくるみたいな例もあって、つまり、遺伝子配列さえOKならすべてOKっていうわけじゃない、とか。
一番ぶっとんでるのは最後にちらっと紹介されている「水生類人猿説」。
他の霊長類と違って、人間だけが体毛が薄くて、直立歩行用に骨格が変化していて、おまけに皮下脂肪を蓄えていることを説明するのに、
「ある時期人間は、水中に暮らしていた」
と考えるのがいちばん合理的かも?だそうです。
そうであると仮定すれば、現在でも水中出産をしたほうが、痛みも少なく陣痛の時間も短く、おまけに出てきた胎児はじょうずに前足(腕だ!)を動かして泳ぐ動作をすることなども、納得できる、とか。
トンデモ本じゃなくて、多分、ちゃんとした科学の本だと思うんですが^^;
とにかく面白くてどんどん読めます。
後書きを見たら、この共著者?のジョナサン・プリンスという人は、元クリントン大統領のスピーチライターだった人なんですって。
道理で。
話に引き込まれるわけだわ(笑)
科学ネタ好きな人には超オススメの一冊です。
あ〜楽しかった!
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