ナポレオンとヨーロッパ〜人類の進化について。

依然として、コミックと小説を乱読中であります。

宝塚観劇のために読み始めた「銀河英雄伝説」は10巻を(中古で)買い揃え、拾い読みで6巻を進行中。

「ベルサイユのばら」をTSUTAYAでレンタルして、懐かしさに涙が止まらなかったのは以前書きましたが、その後、懐かしさの柳の下を狙って「オルフェウスの窓」全巻をヤフオクで購入。
懐かしいことは懐かしいんだけど、今読むと、登場人物を殺しまくりすぎでは。オスカルにそっくりはユリウスは魅力的だけど、さすがにストーリーに無理がある。サブキャラのイザークをめぐるエピソードは血の通った人間ぽくて、美しく、むしろそちらに価値があるかも。

ヤフオクついでに、Amazonで☆が多かったこちらも全巻購入。
(ヤフオクのコミックには「全巻セット」というカテゴリーがあって便利。Amazonにもあったらいいのに)

栄光のナポレオン―エロイカ : 池田 理代子

実際に買ったのは文庫ではなくコミック版ですが。
読み終えた(というか見終えた)感想を言うと、ナポレオンがイケメンじゃなく、それでいて、生育環境とか内面描写が足りてなくて、主人公なのにどうも感情移入できない。
なので、なんで女たちがナポレオンを忍んで涙にくれるのか、さっぱり同情できない。

むしろ理解できるのはナポレオンの取り巻きや列強の王室など、ナポレオンを利用しようとしてる連中の思惑のほうで、読み進むうちにそっちに感情移入してしまって、最後のほうは、早くナポレオンが失脚するといいのに…と待ち望むありさま。
いいのか、こんなことで!

個々の戦闘については細かく書かれていて、もしかしたら史実には忠実なのかもしれないけど、戦略、戦術の学習書じゃないので、ちょっと、なんだかなーという感じも。

でも、あまり興味がなかったナポレオンという人物、日本で言えば秀吉みたいに、戦闘と攻略には強いけど、政治や統治の才能がなく、到底、長期政権を維持できない人物だった模様。

しかし秀吉が、朝鮮出兵で周辺国に迷惑を及ぼしたのに比べて、大陸にあるフランスでは、たくさんの国が迷惑を被って、イギリスからトルコあたりまで、波状的に影響を受けたというのが、大きな違いかもしれません。

やっり、地続きって、大変ですね。
ナポレオン以前も、こういうことの繰り返しを続けて今に至っているわけですから。
おまけに、国家といえども一枚板とは限らず、ひとつの国家内に複数の民族がひしめいて、それぞれの利害関係で動いているわけですから、その複雑さたるや、日本の置かれている状況の非ではないわけで。

ヨーロッパの王室が、相互に血縁関係でつながってるっていうのも、うなづけるところです。
中世、近世で、泥沼の戦争を避けたいと思ったら、姻戚関係を結ぶくらいしか打つ手がなかったかも。

フランスに限っては、18世紀から延々と内戦や諸外国との戦争にあけくれ、20世紀になっても二度の世界大戦の戦場になり、ほとんど戦争続きのように見えながら、並行して、絢爛豪華な貴族文化だったり、先進的な共和制だったり、新しい文化を創造していて、なんだかものすごい国だな、と思います。

まあ、18世紀、19世紀の戦争で死んだのはみんな平民で、貴族やブルジョアは前線に駆り出されて悲惨な死に方をするようなことがなかったせいかもしれません。戦争も末期的になって「国民皆兵」で、学徒動員さえされてしまうような追い詰められた状況でなければ、どこかで誰かが戦ってるらしいよ…てなことなのかも。

いずれにしても、時間軸を縮めて世界史を見れば、人間は常時、切れ目なく、戦争を続けているし、今現在の日本の様子を眺めても、いますぐ飢え死にするほど食い詰めてるわけじゃないのに、なにやら好戦的な雰囲気だし、

結局のところ、人間って(男性って、と言ったほうが正しいかも)、戦争が好きなんじゃないの?

と思えるほどです。
人類と地球環境の未来を考えれば、そういう性質とは、そろそろ決別すべきと思うんですが、そろそろ、平和を志向する生物へ、生物として進化できないものでしょうかね。

同種の生物を殺さないというストッパー機能が、発生直後から脳内に形成されてればいいと思うんですが。
おぎゃーと産まれた時にはすでに、人類みな兄弟、みたいな性格の赤ん坊ということで(^^ゞ

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