近所のスーパーの書籍コーナーに置いてあるNHKラジオのテキストが、なんだか面白そうだったので買ってみたら、想像以上に面白かったです。
著者は「お江戸でござる」の解説などでも登場している作家の石川英輔さんです(見たことないですが)(‥;)
内容は、歴史の授業では、封建制で庶民は虐げられていたような教え方をされている江戸時代の、特に江戸の町に注目して、その巨大都市が、実は庶民の自治で運営された、平和で安定的で、物質的にも意外に豊かで、庶民の子どもでも近所の手習い(私塾)で読み書きができる(しかも識字率は男女同等)など、自由な学びの機会が得られる、かなり幸せ感を感じられる社会だった、という話。
化石燃料を使わず人力による労働が主体だったので、現在の基準で計算すればCO2排出量はほとんどゼロ(薪などの木材を燃やすことで出るCO2は、木が育つ過程で吸収するCO2と相殺されてゼロなのだそうです)ということも書いてあったけど、今となってはそんな暮らしに戻れるわけもなく、その意味で「江戸に学ぼう」というのは、無理だと思いますが、物資のリサイクルが常態化していた生活スタイルと、巨大な官僚組織や中央集権体制でなく、地方分権+住民自治の「小さな政府」体制でも長い平和な時代を保てた成功事例を、今後の日本の進路を考えるのに参考にすべしという筆者の主張にはうなづけるものがあります。
もちろんラジオ放送は聞いていませんが、このテキストだけで充分に楽しめます。図版もあるし、字も大きめで読みやすくて、書籍としての出来もなかなかのものです。
だけど、ラジオのエアチェックなんてもー絶対無理なので、ラジオ放送も、ポッドキャストで配信してくれたらいいのに。これなら有料でもいいと思うわー。
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