【読書】 人類が消えた世界/アラン・ワイズマン

かなり斜め読みですが、どうにか読み終えました。
進行する環境破壊をさまざまな側面から紹介しながら、もしも今、突然人類が消滅したら、地球はどのように変化するかを想像する内容です。

読み進めると、環境を破壊するのはCO2だけじゃなくて、人類が開発したさまざまな素材や放射性物質が、人類なきあとも長く地表に残って影響を与え続けるだろうということが分かります。

ただし、大規模な地殻変動とか、隕石の衝突などが起きれば、それらの影響もチャラというか、現存する環境と生物を全部巻き込んで、またイチから進化のやり直しが始まるだろう、ということも、間違いなく言えるところです。

歴史的に見れば、地球は人類誕生のはるか前から生物をはぐくんでいて、CO2が多すぎるどころか、酸素自体が存在しない環境下から、さまざまな連鎖で今に至っているので、地球にとってみれば、多少のCO2やオゾンホールを通り抜けた紫外線や温暖化なんか「へでもない」わけです。

「地球にやさしい」というのは別に、CO2削減を意味しないよね…って、テレビのCMとか見ながら違和感を感じてるのは、私だけじゃないと思います。
それを言うなら「人間にやさしい地球環境を守ろう」であって。

えーと、本書の意図するところはもちろんその、人間にやさしい地球環境を守ることだと思いますが、描かれている「人類なきあとの世界」を読みながら、気がつくと、うっとりしている自分に気がつきます。

人類なきあとも、放射能汚染やさまざまな化学物質の汚染、火災による環境汚染も乗り越えて、いずれ自然は再生するし、また新しい進化も始まるんだろうなと思います。
さまざまな汚染に対応した種の進化。
すごいぞ自然。

それでも、一気に人類が死に絶えるというのも非現実的な話で、なんとか生きていかなくちゃならないとすれば、今、世界に広がる人間汚染の負荷を軽減するためには、人口を減らす方策が最も地球環境には優しいと思われるので、現在の日本や先進国の少子化傾向は、まさに地球にやさしいエコなライフスタイルで、賞賛されていいことのような気がします。

少子化対策という政策の意味がちがう。
地球環境に鑑み、日本の出生率低下傾向を維持し、世界にも少子化の波を広げよう、というのがただしい少子化対策かも。

みんなで減らそう、人間の輪。

コメント

  1. longkey1 より:

    > みんなで減らそう、人間の輪。
    これ、面白かったです。

    > 人間にやさしい地球環境を守ろう
    現在言われているエコってこれにも該当しないただの経済活動な気がしますけどね。

    どこかで、「当分大丈夫でしょ」みたいに思っているところは自分でもありますねえ。

  2. IKUKO より:

    私も楽観派ですね(^^;

    せっかく技術革新を重ねて得てきた快適な暮らしを捨てて、原始時代の暮らしに戻れというのは非現実的。

    今のような、八方ふさがりに見える状況から、新しいブレイクスルーが起きて、人類の技術水準が次のステップに進み、今ある問題が問題じゃなくなるってのを期待してます。

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