【読書】セカンドライフ 仮想コミュニティがビジネスを創りかえる/ワグナー・ジェームズ・アウ



どこかで…多分FreiendFeedでオススメされていたので読んでみました。
非常に「なんで今さらそんな」って感じもありつつ、やっぱ読んどかないと的な強迫観念に襲われ。。

2007年に執筆され、日本では2008年に出版された本ということで、セカンドライフのそもそもの始まりから、ちょうど日本のブームがピークになった頃までの経緯がよくわかります。
著者は2003年から2006年まで、リンデンラボから直接依頼を受けて、従軍記者のような自由な立場からセカンドライフ内で起きていることを取材し、ブログなどに記事を書いてきたプロのライターです。フィリップ・ローズデールの生い立ちや、リンデンラボ創設の経緯、そしてセカンドライフが今のような形になるまでの試行錯誤のプロセスが紹介されています。

それと同時に、創設期から2007年までの間に、セカンドライフの中で「起きたこと」を詳しくレポートとしているのが特徴です。

セカンドライフに熱狂する人々、ボランティアとしてセカンドライフをサポートしようとするユーザー。逆に、セカンドライフ内に現実の戦争や争いを持ち込み暴れる人々。セカンドライフ内のビジネスと、リアルライフの関係。アバターを介したコミュニケーション、恋愛とセックスなどなど。

およそセカンドライフ内で起きる出来事の類型がすべて網羅されていると思うほど。
紹介されているのは、日本でブレイクする前の、アメリカを中心とする欧米の事例なんだけど、その後の日本で起きたことと驚くほどそっくりで(戦争や暴動は除いて)

なんかこれ、どっかで見たような気がする…って、強烈なデジャヴ感。
懐かしいを通り越して、寂しささえ感じてしまったほど…(~_~;)

でもあれからセカンドライフの機能がさほど変わってない以上、セカンドライフでできることと起きることは、ここに書いてあることがすべてかな、と思います。
あとは「できること」を何度も繰り返す中で、各コンテンツが洗練されて、クオリティが高まっていくだけ。

「だけ」なんですが、実はそれこそがすごくて、あのセカンドライフでこんなことが!というような質の高いコンテンツが、いつのまにかどんどん増えている…というのを期待してるんですよね、私(完全に観客モード)

2008年から日本のセカンドライフ人気が下落したのを見て、セカンドライフなんてもうだめだとか言う人がいるけど、それは見当違いで、セカンドライフは創造力とスキルのある人が参加したときに、最も、良さが生きるサービスだということがようやくはっきりしたというだけのことではないでしょうか。
現に、今もセカンドライフ内で活発に物を作り、イベントを開催している人たちがたくさんいる以上、「終わった」なんて誰にも言えないはず。

私としては、今まで通りに創造力とスキルのあるクリエイターと、ゲーム内コミュニケーションのスキルの高いユーザーが、好きなように遊んで、ますますクオリティの高いコンテンツを(結果として)作り出していくことが、すなわち、セカンドライフということなのだと、思います。

それでリンデンラボの経営が成り立つならば、それでいいじゃありませんか。
いちいち外野が終わっただのなんだのって、うるさいし。
そもそも、月額課金とかアイテム課金のビジネスモデルじゃないんですから、ユーザーが多けりゃいいってもんでもないんだし?

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