@図書館 読んだことを忘れないためにメモ。
著者は1958年英国生まれということで、世代的に、時代の感覚が似ているので、言いたいことも「分かる気がする」。
内容は例によってAmazonのコメントを見ていただくとして、
私が部分的に面白いなって反応したのは、第2章で語られている、人類誕生の頃の話。
道具や火を使い、直立歩行をし、脳の大きさも私たちとほぼ同じだったネアンデルタール人などたくさんの「人類」があちこちに繁栄していたのになぜか滅び去ってしまって、最終的に、ホモ・サピエンスだけが繁栄を続けて今のような世界を作り上げたその理由は、「物々交換を発明した」からだというのだ。
お互いに余ったものを与え合う「物々交換」は、意外にも、チンパンジーなどの高等生物にも絶対できないことだそうで、これができるようになったというところで、人間は「野生動物」から一歩抜きんでたらしいです。
余ったものを与えて、不足しているものをもらう、物々交換が始まって初めて、技術の継続的な進化や伝播が始まったのだそうで、その結果、ありとあらゆる創意工夫(戦争や侵略を含めて)がおこなわれて、ついには現在のような状況になったのだという。
それって面白い説ですね。
個人的には、じゃあどうして、ホモ・サピエンスだけが「物々交換」ができるような脳の変化を起こしたのか、そこんとこをもっと知りたくなります。
だってそれこそが、「人類文明化」の鍵ですからね。
そこんとこが、自然の流れで可能だったのかそれとも…というところが、個人的には興味のツボです。
というわけで、けっこうボリュームのある本ですし、扱う時代も長いので、後半はかなり流し読みでしたが、面白い本でした。