【読書】10万年の世界経済史/グレゴリー・クラーク

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Amazonのコメントの、「10万年の経済史って言ったって、有史以来の歴史しか書いてないじゃん!」というツッコミには同意。
人口統計とか商取引の記録が残ってない時代のことなんか、語りようがないですからね。

それにしても、冒頭に出てくるこのグラフに、あたしはぐっと捕まれてしまいました。
1人当たりの所得を、1800年を1としてグラフにしたものだそうです。元になる数字の算出方法は不明(書いてあるかもしれないけどよくわかんない)

この図を見ると、産業革命以前と以後で、経済活動に起きていることが完全に変わってしまったらしい、と思えます。
それ以前は、食糧増産とかで人口が増えると今度は富の配分が減って結果的に人口が減る、ということの繰り返しだったのに、産業革命の時期を境に、人口が増えればそれに応じて富が増える、というような怪現象が起きている、ように見えます。

1800から1900年までの間に、産業の構造が変わったと同時に、なぜか庶民の意識も変わってきて、たとえば死刑を見物するだの、動物の惨殺を見せ物として楽しむだのという気風が、少なくとも文明国では、おこなわれなくなり、「人道的」な価値観が広がってきたとか。

で、その変化の理由を下巻でもって解説してくれるのかと思って、いっしょうけんめい探したのですが、いまいちはっきりしません。私の読み方がおかしいのかもしれないけど、なんかこういまひとつ。

ですが、「産業革命」がなぜイギリスで起きたのか、とか、そもそも「産業革命」って何?とか、それまでの技術革新とどこが違うの?ということは、私が思っていたほどはっきりとは解明されていないらしい。
と、分かっただけでも収穫…なのか?
なのか?

まっ、なんとなく消化不良なんだけど、また世界の歴史にひとつ、謎が増えたということで。
経済っていうのは、短期的には経験で予測できても、長期的に見ると「こうなる」という予測がまったくつかない、ふしぎな現象なのかもしれません。

多分、ただの紙切れを「お金」としてみんなで合意して取引の道具に使ったり、利息とかいって実物の商品と対応しない「お金」をどんどん増やすとかいう、いろんな「空想上のやりとり」を開発していくうちに、だんだん、人類全体が持つ「空想上の富」が増えているのではないでしょうか。
だから、人口が増えてもみんなに分配できるのでは。

空想上のお金でも、銀行の窓口で引き出せばその瞬間に実体化するので、みんなでいっせいに引き出しさえしなければ、あるように見えるわけで。
実際、すでに発行した金額に対応するだけのお札は刷られていないという話もありますし。
そんなふうに、電子マネーとかを待つまでもなく、すでにお金のバーチャル化が進行しているとしたら、もっといろんなことが、起きそうな気もします。

数学は苦手だし、経済のことなんか全然わかりませんが、
すくなくとも農業生産と人口が直結しているような社会ではなく、今みたいないろんなものが価値を持つ時代に生まれて、よかったなって思います。

だって、そのほうが、いろんなことが自由にやれて、楽しいですもんね。

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