【読書】2015年はまったシリーズ第一弾「海の覇者トマス・キッド」猫夢中(笑)

やばい、やばい、やばい。
今日は大阪まで某劇団の舞台を見に行ったのに、行きと帰りの新幹線で読んでいたこちらの帆船海洋小説で頭がいっぱいになって、肝心のお芝居の感想が書けません!!

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まずこの本を買ったきっかけは、Huluで配信されていた「マスター・アンド・コマンダー」を見たことで…
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みなさんは見ましたか?この映画。私は初めてだったんですが、ものすごいです。
ストーリーもいいけど、なにしろ19世紀の帆船のセットが。荒れ狂う海が。ものすごい。

で、感動しちゃって、アマゾンさんで原作を探したんだけど、どうやら原作は読みこなすのが大変そうで、こっちのほうが読みやすそうだったので、試しに一冊目を買ってみたところ、そりゃーもう、夢中になる面白さ。
数日前に映画で似たような場面を見たばかりなので、帆船の中の様子もなんとなく頭の中で映像化できてしまうし。全部が木でできてるんですよ、帆船って。木と布と太いロープで。

このトマス・キッドシリーズの舞台はフランス革命の直後でまだロベスピエールが生きてるらしいから、18世紀の終わり頃。
もうじきフランスの革命軍と戦う羽目になりそうなイギリス海軍の一隻の「戦列艦」に、拉致されてきた強制徴募兵のトマス・キッドの目から見た帆船の操船や船員の暮らし、戦闘などを描いています。

正式な国王陛下の海軍なのに、乗員をそのへんの町から拉致して強制的に船に乗せてしまうなんてことが、どうやら実際にあったようです。
この時代は、どの国でも国王が認めた海賊は「私掠船」として公認されていた時代なので、国家も民間もどっちも無法地帯みたいなもんで、とっても野蛮ですね。

それはさておき。
この小説の魅力は何と言っても、帆船に乗り組んでいるかのような感覚を味わえる、リアルな描写です。

帆船って遠くからみると優雅だけど、よく考えてみれば、動力は風のみで、その風の力も推進に使うだけなので、たとえば錨を上げるとか、帆を出したり畳んだりするとか、大砲を動かすとか、大砲を撃つとか、とにかく何から何まで「人力」なのです。
まじ、うそでしょーって感じです。
なにしろ人力。
村から男たちをさらってでも、人手が必要なわけです。
そういえば古代から中世まで、戦艦は奴隷に漕がせるガレー船だったんでした。

漕ぎ手がいない帆船の動力は風だけ。
行きたいところに自由に行けるわけじゃない。
方向転換させたり、スピードを調節したりするのも、帆を動かす必要があって(それもぜんぶ人力)、船をめざす場所に停泊させるだけでも一苦労です。

今回、この小説をこんなに面白く感じたのは多分、数年前に、2シーズンだけ、ウィンドサーフィンをやっていたからだと思います。
ウィンドサーフィンみたいな、小さな帆1枚だけでも、風が入るとずいぶんな力がかかるのに、それが帆船では、3本マストにいろんな形のたくさんの帆をつけて、いったいどうやって進むのかと想像しながら読むと、だんだん、どきどきしてきます。

帆に裏から風を入れてブレーキをかけたり、風上に向かって斜めに上がっていくとことか、まったくウィンドサーフィンと同じ要領だし、風がとまってべた凪になるとにっちもさっちもいかず、ただ潮に流されるだけになるのも同じです。

この帆船の操船技術って、ものすごいことのような気がします。
もう失われてしまったのだろうけど。

途中で主人公が夢中になってマストに登るシーンがあるんだけど、いちど味わうとやみつきになるのは、帆で動く船の魅力かもしれません。

ちなみに、何かの本で(多分、塩野七生の、ローマ人の物語か、ローマ亡き後の地中海世界か、そのあたりだったと思う)、今の時代に昔のような帆船を造れないのは、長くて太くて頑丈な、メインマストに使える材木が手に入らないからだと書いてありました。

そんな立派な材木は、この時代に切りつくされてしまったのだそうですよ。
マストは帆船の命ですからね。
ウィンドサーフィンのマストは、現代風の軽くてじょうぶな素材でできてるけど、使い倒してるとけっこう折れるそうです。で、折れるとやっぱりどうしようもなくて、漂流の旅になるんだとか。

…というわけで、ただいま続編の到着を待っているところ。
そんなに早くよみたいならKindle版を買えばいいようなものだけど、値段が安いので、ついマーケットプレイスの中古を買ってしまうのでありました(¨;) だって1円なんだもん。送料込みで 258円ですから。

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