朝ドラ「カーネーション」のエンディングには、賛成の一票を投じたい。

NHKの朝ドラ「カーネーション」が終わりました。

最終回の前日に主人公が亡くなってしまったので、さて最終回はどうするのかなーと思って見ていたら、

死んだ人からのメッセージ

になっていました。
最後の、後ろ姿の老人も、奈津を示唆するだけで正体は明かされず、小粋な終わり方でした。

見ようによっては、この回は、ちょっとわざとらしいかもしれません。
以前の私だったら、間違いなく「これは失敗」と言い切っていたと思います。

でも、今のこの時期の、日本中のたくさんの人が見ている国民的放送ということを考えたとき、昨年の震災で近しい人を亡くした視聴者の方たちへのメッセージとして、そして、ひとつのプレゼントとして、この回を放送しようと思ったんだろうなーと、想像します。

きっと、これが震災前のドラマだったら、もっと違う終わり方をしたのでは? と思うけど、どうなんでしょうね。
脚本家の方に、そこんとこ、聞いてみたいものです。

ともかく、私は普段、朝ドラは見ない人なんだけど(その時間帯、時計代わりにテレビはつけてるので、見えてはいるけど、まじめに見てはいない感じ)、この「カーネーション」に限っては、1回目からずぼっとはまりました。

何って、まず、セットが素敵。
そして、出演者が着ている着物が超リアル(ほんとうに日常着だった頃の着物の姿が再現されていた!!)
下駄で土の道を踏んで歩く音が、イケていました。
今ではどこもアスファルトなので、下駄で歩いてもなかなか、ああいう音は聞けません。

そして、お金持ちの家の娘の奈津が着ているレトロな着物と、そのコーディネイトのすばらしいことといったら!
同じものを今作っても、ああいう組み合わせでは着れないなー、という…。

その上、ストーリーの素敵なこと。
こういう、苦労しながら道を切り開いていく、パイオニア物語は、大好きですっ!

普通の朝ドラでは、主人公もまわりの人物もみんな「いい人で」、苦労をしながらも、まわりのみんなに愛されて、けなげにがんばるいい子ちゃんが主人公のロールモデルなようでで、正直、どれを見ても似たり寄ったりで、退屈。

でも「カーネーション」では、違います。
本気の殴り合い、本気のケンカ。主人公の父親は、本気で主人公の行く道に立ちふさがって邪魔をする。

これでこそ、現実!
これぞ真実!
私はおおいに盛り上がり、毎朝、糸子に「がんばれ!」ってエールを送ったのでした。

セットといい、衣装といい、設定といい、大正〜昭和の戦前生まれの人たちの暮らしぶりが、ほんとに良く描けてる作品だったと思います。私は小さい頃のおじいちゃんの家に戻ったような、タイムスリップした感じで、懐かしくて、ストーリーと関係ない所でも泣いていたけれど。

こんなふうに、毎回続きを楽しみに見た朝ドラは吉田美奈子がテーマ曲を歌っていた「すずらん」以来かと。
そういえば今回の「カーネーション」も、椎名林檎の歌が秀逸でしたね。

半年間、楽しんだ「カーネーション」ですが、来週からは、放送を見逃さないように気をつけなくていいので、朝の時間が気楽になるな〜と思って、ちょっとほっとしています(¨;)

Wikipediaによると、脚本の渡辺あやさんは、私より10歳も年下です。
主婦から、公募を経て脚本家になった人のようですが、ほんとうに地に足のついた、それでいて、大切な所は外さない、素敵な脚本家だと思います。今後の活躍が楽しみですねー。

私も、がんばろう!!ファイト!

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