4月になりました。
「高い城の男」シーズン1と2を続けて視聴しました。
色調が暗くて、ストーリーも暗めで、とっつきにくく、1話の途中で挫折していたのですが、他に見るものがなくなってしまって、しかたなく見始めたら、1話の後半から夢中になっていました。
設定は、なぜか分からないけど第二次大戦でドイツと日本が勝ってしまった世界。
ドイツと日本の分割統治になってるアメリカが舞台です。
東海岸から中西部までを占領したドイツ領は豊かで、サンフランシスコを中心とする日本領は貧しい感じなのが、なんか説得力あるし、車や町の景観のレトロさもたいへん魅力的。
話が進むにつれて、ゲシュタポの流れのドイツ人将校たちの権力闘争と、日本とドイツの確執に、それぞれの国のレジスタンスがからんで、誰が敵で誰が味方か最後までわからない、どきどきはらはらの展開になります。
なんかもうこの、入り乱れ具合がすばらしい!
原作はどうだったんだろう?
と思ってフィリップ・K・ディックの原作をKindleで読んだのですが、ドラマ版の鍵だった「フィルム」は原作では本だった。という意外な事実。ドラマではこのフィルムをめぐってたくさんの人が死に、ドラマが動いていくし、あのカタカタカタ…というフィルムを回す音が雰囲気を盛り上げていたのに。。
それに登場人物の大半が、ドラマとキャラクターが違う!!
というのにもびっくりしました。
ドイツと日本が勝利した世界という設定は同じだけど、人物のキャラ設定がまったく違うし、ストーリーも違うし、当然、ドラマの最後のクライマックスシーンもありません。
ドラマ化に際して、原作をいったん完全にばらして再構築したんですね。
それでも原作のエッセンスは残ってる感じがするのはすごいです。
原作者もすごいけど、リメイクしたチームもすごい。
こういうの、どうやってやるのかなぁ。
そういう現場に居合わせたかった。
自分にもそういう構築ができる能力があったらいいのに。
と、うらやましく思いました。
なんかシリーズ3の制作が決まったような感じですが、マジで? シリーズ2の終わりでしっかり完結してるのに、ここからまた新しいドラマ作っちゃうって、まじ神だわ。
今回のドラマはAmazonオリジナルで、1シーズンが10話の構成。
ネット配信前提のこうしたドラマは、テレビドラマのように週に1回の放送で、3ヶ月とか半年とかいう計算じゃないので、キりのいい回数で作るみたい。
テレビドラマは初回から視聴率を稼がないといけないので、展開がスピーディー、人物設定も分かりやすく、事件ものなら1話完結で、視聴者が飽きないようにどんどん話が進みますが、こうしたネット配信用のドラマはスピード感が違って、初回からじっくり時間をかけてお話を展開して、1話完結でなくて全体で1つのストーリーという、映画のめちゃ長いやつみたいな作りなような気がします。こういうのがこれからの主流になるのではないかと思います。
一長一短、どちらも良さがあるので、どちらも好きですが。
先日までは、GOTHAM(ゴッサム)を見ていて、こちらもとっつきにくかったわりに、癖になる面白さで、とくに、ペンギンのキャラクターは最高でした。
ペンギンがどうなるか知りたくて次を見るような感じで。
登場人物がマンガチックで、当人たちもそのつもりで演技してるのがまた面白い。そんなドラマ。こちらはシリーズ3がすでに放送されてるので、配信が楽しみです。