千秋楽に行ってきました。
個人的に「風と共に去りぬ」の映画と原作の印象が強すぎて宝塚版はどうにもNGな私なので、この日もまったく期待することなく劇場に足を運んだわけですが…
すみません、私の考えが間違っておりました。初めて拝見するナマ轟悠(とどろきゆう)様の偉容にひれ伏しました。やはりトップの中のトップ。神でした。
映像で、2002年朝海ひかるスカーレット・轟悠バトラーを見ていて、轟バトラーというのはだいたいこういう感じなのかなと思っていたものとはずいぶん印象が違っていました。
初めて、クラーク・ゲーブルのコピーじゃないレット・バトラーを見た!という感じ。
多分、歌舞伎みたいに宝塚版レット・バトラーの「型」があって、普通の人はそれをなぞるんだけど、轟さんはその型の中に入り込んで「型」をまとったまま自由に動いているように見えました。
スカーレットについては、個人的には、今回の龍さんより去年の星組の礼真琴のほうが、ぴょんぴょんしてて、コケティッシュで、ほんとひどい女なんだけど何をやっても憎めない可愛らしさがあって、好きでした。
月組は昨年も轟バトラー・龍スカーレット・凪七スカーレットⅡというほぼ同じ布陣で公演をしているので、スカイステージで見てみてもいいかなーと思うけれども、多分、見ないと思います(^^ゞ
やっぱり、個人の力量は別としてどうも好きになれないこの演目。
それから、美弥るりかさんベル・ワットリング。
めちゃくちゃ美しかったです。
キラキラキラキラ★。、::。.::・’゜☆。.::・’゜★。、::。.::・’゜
…ってなってました。その周辺が。
というのも私たち舞台右端の最前列にいたので、最初のほうでベル・ワットリングが出てきた場面で、かなり長い時間、彼女を間近に見ていたのです。キレイだし、堂々として迫力もあるし、もう月組の次期トップは美弥ちゃんでよくない?…と思いましたよ。
あと、最前列の役得として、バザーで女の人と踊る権利に入札する場面、スカーレットとスカーレットⅡがずーっと目の前で、小声で小芝居をしている声が全部聞こえました。マイクが拾ってたのかどうか分からないけど、え〜75ドル、高っ、とか、25ドルじゃ何にも買えないわよ。とか、龍さんノリノリで、周辺の座席の人が笑ってたのはそのためです。
最前列といえば(正式には2列目なんだけど、花道の湾曲のためその場所には1列目がない)、青年と令嬢たちの群舞のときとか、それぞれの人のナマ歌が聞こえてくるし、役者さんがこっちに来るたびに、香水の香りでしょうか、えもいえない良い匂いがふわ〜っと漂ってくるし、最後は目の前に轟さんがせりあがってくるし、当然舞台の全体は見渡せないけど違う部分ですごく楽しみが多くてよかったです。癖になりそうです。
それから、私はこの演目が好きじゃないと何度も書いていますが、まったくの初見の、原作も知らないゆとり世代の娘が、一幕のラストで泣いていました。
タラの赤い土とマミーと「生き抜いてみせる。たとえ盗みや人殺しを犯しても」のあれですね。映画では大根か何かを囓るんでしたよね…宝塚版では囓りませんけど当然…。
『エリザベート』の夜のボートの所で私が泣いてるのを見て笑った娘が、ここで泣くのか!
娘はストーリーを知らないので、タラが何かも分からず見ていたのですが、「宝塚のお芝居はだいたい退屈で、途中で眠くなるけど、今度のはずーっと面白くて、退屈する間がなかった」とのことです。
それを聞いて、ああ宝塚の定番ものって、すごいんだなーと。
あのマシンガンのような早口の台詞の応酬や、わざとらしい大げさな台詞回しが、むしろ、見る人を集中させ、スカーレットⅡの存在によって(どこから見ても悪女キャラでしかない)スカーレットの心情にシンパシーを感じさせ、感情移入させるんでしょうか。
よく分かんないけど、ベルばら同様、なにかのマジックがあるに違いないです。
私には理解できない何かが。ガクッ(~_~;)
というわけで、
轟さんはやはり神だった、というおはなし。
(龍さんと並ぶせいか、轟さんは小柄に見えました。ふたりが組むときは龍さんがひざを曲げて背を低くしているのですね。噂の壁ドンのところも)
それでもって、今朝起きたら頭の中で「マグノリアの花」の歌が自動でリピート再生されて止まりません。 どうしたらいいのでしょうか。
コメント