偏見プリズム:不安は戦争の着火剤だから

半年くらい前に、近所に、幼稚園〜小学校くらいの悪ガキ3人兄弟が引っ越してきて(外に出ていた息子夫婦が3人の子どもを連れて実家に転がり込んできた図)、お母さん(息子のヨメ)があんまりマメに面倒をみない人で、子どもだけで外遊びをさせているので、3人はいつも外で大暴れしている。

彼らが来る以前からこの通り沿いに済んでいた大人しい同年代の兄妹もすっかり巻き込まれて、おもちゃの剣を振り回しながら汚い言葉でなにやら大声で叫んで、ワイルド化してしまった。

特に土日は幼稚園も学校も休みなので、今日も朝から、補助輪のついた自転車で走り回りながら大和騒ぎ。途中で年下の子がいじめられて泣きわめくといういつものルーティンだ。壁のうすい我が家ではその騒々しい泣き声に気が狂いそうに。

30分くらい彼の泣きわめきが続いて、私もそろそろ外に出て、そいつの耳をつかんで家の中に放り込みに行こうかと思った矢先(思うだけでやらないんですけどね。耳栓で堪え忍ぶくらいで)

泣き声がぴたりとやんだ。
と同時に、女の人が子どもになにか語りかける声が聞こえる。
「ようやくおかーさんが出てきてくれたんだ!」
と、我がことのようにほっとする。お母さんの登場であの大声の泣きわめきがぴたりと止まるのだからお母さんってすごい。

その時、気がついた。
話が逆だ。お母さんに来てもらいたいから彼はあんなに長いこと大声で泣きわめいていたんだ、と。

動物でも自力でエサがとれない子どものうちは腹がすいたら大声で泣き叫んで、あきらめるってことがない。うちの子猫もたいがいはそれで、迷子になって大声で鳴いてるうちに人間が気づいて拾って育てた例だ。

人間は、腹が空いた時にも泣くけど、精神的なケアが欲しいときにもおなじように泣きわめく。くだんの子どもの例でいえば30分から1時間くらいは余裕で泣きわめく。
聞いてる他人からするとただうるさく、いいかげんあきらめればいいのにとか、自分で立ち直ればいいのにと思うんだけど多分、人間の精神は複雑で巨大なので、成長するためには多大なる「ケア」が必要なのだろう。

だから人間の子どもは泣きわめく。
スーパーのお菓子売り場で幼稚園児がひっくり返って「買って買ってお菓子買って」と泣きわめいている、あれもきっと空腹ではなく「要求を聞いてもらう」という「精神のケア」を欲しているのだろう。

ちなみに、うちの子にはお菓子売り場で泣かれたことはない。
泣く前に小さいお菓子をひとつ握らせるようにしていたこともあるけど、「昨日のお菓子がまだ残ってるから、新しいお菓子は明日にしようね」みたいな冷静な説明で意外にあっさり「わかった」と納得してくれたせいもある。

手のかからない子どもだった。ふたりとも。
つか、女の子ってだいたい、そんな感じじゃないだろうか。
スーパーでひっくりかえってるのは十中八九、男の子だ。
男の子って、小さい頃から精神面になんらかの瑕疵があるのに違いない。

そういえば台風などの災害のとき最初にパニックになるのは男性で、女性はいざとなると火事場の馬鹿力で、ふだんはびくとも動かせない重いタンスを背負って二階にあげたなどの逸話が残ってるっていうのを、昔よく聞いたものだ(親戚が集まったときとかに)

男性はきっと、子どもの頃には駄菓子、成人してからは地位や名誉や財産などをたくさん手に入れて、少しでも安心していないといてもたってもいられない不安症候群の人が多いんだろう。これが、男性にまかせておくとお互いに隣の国が不安すぎて繰り返し戦争を始めてしまう理由である、と、ばっさり、断言してしまおう。

…と、話に、三段跳びみたいな連想の飛躍があるのは、私がさっきまでNHKの日曜討論を見ていたせいです(対中国の話でした)。いろいろ聞いたり読んだりしていると、戦争をなくすのは、人間が人間じゃなくなるのと同義で、生物の本能からして不可能な気がしてきます。

どこかで根本的に「進化」して別の生き物になるか、あるいは土地に立脚しない生活スタイルが実現しないかぎり(バルーン型住居で空中をただよいながら生きるとかね)、地政学的問題から戦争が起きるのは、1+1=2 と同じくらい当たり前。けっこうそういう方向への脳の「進化」が起きる可能性もあると思いたいですが。SFファンとしては。

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