『クラシコ・イタリアーノ』 2011年宙組
CSの宝塚スカイステージで大空祐飛さんの昨年の公演を見て、後半、ひとりでボロ泣きしました。
この感動は気のせいかと思って、次の日、録画をダビングしながらもう一度見てみたら、やっぱり同じようなところで泣けました。
なんだこの泣かせな演出は!
歌も台詞もまるで退団公演じゃん!
2回目を見て気づいたのは、後半の盛り上がり部分は、たっぷり間を取ったセリフと登場人物のアップ(録画なので)で惹きつけつつ、切れ目なく感動的な音楽が低く流れていて、私の場合多分、8割はこの音楽で持って行かれてる感じがします。
もちろん台詞もお芝居もすごくいいし、それに加えて映像の編集で情感を盛り上げてる効果も大きいですが。
当時、生で見た人たちのブログを読むと、会場内でもすすり泣きが聞こえたそうだから、編集の効果だけではなかった様子。
この、音楽で泣かせる手法には私、めっぽう弱くて、映画なんかでもたいがいバックに流れてる音楽で、やられてます。
しかも今回の映像では、山場の、すでにじゅうぶんうるうる来てるシーンで、アップになった祐飛さんがぽろぽろっと涙をこぼすのがはっきり映っていて、もう撃沈。
あたしみたいな、にわか宝塚ファンにはよく分かりませんが、大空祐飛さんという人はやっぱり、普通のトップスターとは全然異質で、他の誰にも似ていなくて、しかもそれが、演技やら演出ではなくてご自身の生き様みたいな部分で「孤高の人」感があって、見る人はそこに惹きつけられるんじゃないかと思います。
いつも見てるとなんか、ハラハラするんです。
危うい感じがして目が離せないというか。
そこんとこ分かってて、あえてそういう役が振ってあるという部分もあるんだろうけど。
ともかく、祐飛さん退団しちゃったし、出演作を全部見たわけでもなく、アタシにはまだ祐飛さんは語れません。
つか、語れる日が来るとも思えないけど。
ですがとりあえず、宝塚というのは、派手な衣装と派手な化粧と大きな羽根のイメージしかなかったけど、意外に、お芝居が面白いというのが、今年の私の発見です。
あんまし前衛的すぎず、それでいて、演劇的おもしろさはじゅうぶん楽しめて。いい感じ。
演劇って、小説と違って、場面転換が大胆で小気味がいいです。
登場人物が舞台上をぐるっと一周すると、もう別の日の別の場所になってて、見てるほうも「お約束」という感じでなんの違和感もなくついていけるというのは、すごい。
小説でこれをするとわけが分からなくなるし、多分、映画でもできない芸当。
来年は、ドラマシティ公演を初めて見れるので楽しみです。
あと、来年は2月に続いて3月にも、星組の中日劇場公演があるので、そちらも要チェック。
中日劇場じゃなくて、もっと新しいホールでやってくれるといいのにねぇ…。