忙しいです。
やるべきことは多くないと思うんですが、意味なくバタバタしている感じです。
年度末だったからでしょうか。
それとも…(~_~;)
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今日、2010年3月31日に、株式会社マグスルからお知らせが出ました。
セカンドライフ事業縮小のお知らせ | マグスルからのお知らせ | マグスルで仮想世界セカンドライフを始めよう
ほかのみなさんのブログ等でも耳タコな話ですが、私自身、今も何かの集まりでセカンドライフの話になると
「セカンドライフってまだあるの」
「セカンドライフって失敗だったんでしょ」
「もう誰もやってないでしょ」
などと質問されて、なんだかな〜という気分になることがあります。
その気分を、自分の言葉でうまく説明できなかったのですが、そのビミョウな心境が、上記、マグスルのNeko Linkさんの文章に端的に表現されています。
部分的な引用では、ニュアンスが伝わらない気がしたので、無芸ですみませんが、私が共鳴した後半部分を全文、引用しておきます。
マグスルは平成18年11月より株式会社ジップサービスの事業部として始まりました。当時、セカンドライフに大きな将来性を感じ、来る3Dインターネット時代への橋渡しとなるであろうと考えて取り組みました。その年の年末、セカンドライフが日経新聞の1面に大きく取り上げられたことにより、アメリカに続き日本でもセカンドライフブームとなりました。その後、株式会社ジップサービスより事業を移管することで平成19年6月に株式会社マグスルは誕生いたしました。
当時はまだ、一般の方々が3Dグラフィックを処理できるパソコンをもっているケースは非常に少なく、セカンドライフをプレイしようと考えてもなかなか難しい状況でした。にもかかわらず多くのマスメディアがセカンドライフを特集し、見たことのないセカンドライフを想像することによって記事が企画され、先入観を元に取材され、それを元にお金が儲かる次世代インターネットとして歪められた情報となって世に広まりました。
私も多くの取材を受けましたが、こちらが一通りの正しい情報を伝えても、それが番組や記事になるときには、取材の内容からお金が儲かる部分だけが抜粋されていました。たしかにセカンドライフの中にはいろいろなビジネスのチャンスがありました。同時にビジネスとは無関係のもっと楽しい部分もたくさんありました。
テレビや雑誌の記事を見られた多くの方々が、しかも100万人をゆうに超える人々が、セカンドライフにビジネスチャンスを求めて参加されました。しかし、おそらく9割の方がパソコンが3Dに対応していなかったためにログインすら出来なかったと思います。それほどセカンドライフブームは当時には早すぎるものでした。
私たち、ブーム以前のセカンドライフ企業は5年先の時代を見据えていました。販売されるすべてのパソコンが3Dグラフィックに対応し、ゲームや携帯電話、映画が3Dになる時代です。そのときセカンドライフのようなサービスは当たり前のものとして利用されるであろうと考えていました。また、多くの同様のサービスのなかで、セカンドライフは恐ろしく秀でていました。
単なるアバターチャットサービスとは異なり、非常に自由度が高く、3Dオブジェクトの作成ツールを備え、UGC(ユーザジェネレイテッドコンテンツ)のプラットフォームであり、巨大なクラウドサービスであり、全世界のユーザ同士で利用できる手数料なしのマイクロ決済機能をもち、誰もがコンテンツビジネスに参加することができました。有料の土地(サーバ)を契約することで、インターネット上にサーバをもったときと同様にサービスを提供したり、ものを販売したり、趣味の空間を作ったりすることができました。そしてそれをアバターを通してリアルタイムに会話しながら共有することができました。
セカンドライフにログインできた10万人ほどの日本人は、上記のような本当のセカンドライフを楽しむことが出来たと思います。そしてこれからも楽しむことが出来ると思います。多くの友達と毎晩チャットやボイスチャットを楽しみ、共同でいろいろな物をつくったり、スクリプトでそれを自由に動かしたり、イベントを楽しんだり、教室で先生から新しいことを学んだり、ライブハウスで生歌を聴きながら騒いだり。ブラウザの上ではまったくできない、新しいインターネットがセカンドライフの上にはあり、誰もが自分のアイデア次第で新しいことを発明することができ、世界中の人と楽しみを共有できます。
しかしながら、多くの日本人はそれを知りません。忙しい人は、セカンドライフをそこまで知るほどプレイしません。セカンドライフの奥の深さは他社を突き放すすばらしい点でもあり、同時に理解しがたいという弱点でもあります。その結果、残念ながら世の中は理解せぬまま批判的な見方をする人が多数となってしまいました。インターネットにはセカンドライフはもう終わったという記事があふれています。それを書いた人はろくにセカンドライフを見てもいないのに。
今後のセカンドライフは、世界レベルではブラジルの好景気に押され、個人ユーザはまだまだ増えていくことと思われます。また、日本でも徐々にその楽しさが知られ、ユーザーを獲得してゆくと思います。仮想アイテム市場はセカンドライフに限らず、世界的に盛り上がっていくことは疑いなく、今後も発展するでしょう。セカンドライフを運営するリンデンラボはすでに黒字化しており、多くのインターネットサービスのように存亡の危機にあるわけでもなく、皆様が利用する限り続くと思われます。
私がセカンドライフからの撤退を決心したのは、SLの発展を疑うからではありません。私とリンデンラボの方針の齟齬が埋められなくなったためです。当初、セカンドライフはオープンソースを標榜し、我々ユーザーの権利を守り、コミュニティとのエコシステムを構築してゆくことを方針としていました。そして私たちビジネスユーザーはその方針のもとでセカンドライフの支援を始めました。しかし、今はすでにリンデンラボに創設者たちは居らず、方針は大きく変わりつつあります。マグスルのビジネスはいまや日本の同業他社ではなく、運営元であるリンデンラボ自体と競合しており、日に日に協力しあうことが難しくなっています。
これはマグスルにとっては残念なことですが、セカンドライフ全体にとっては、より安全で管理された世界をつくる上で必要な変化なのかもしれません。答えは今すぐにはでませんが、現在の状況から考えるとマグスルのような事業形態では長期的に取り組むプラットフォームではないと判断した次第です。
今回、MagSL はゆるやかながらも撤退という道を選びますが、引き続きセカンドライフの行く末をみながら Neko Link 個人はセカンドライフを1ユーザとして楽しむつもりです。
セカンドライフユーザーの今後のご活躍とご発展をお祈りいたします。
MagSL Inc. Neko Link
Neko Link氏とセカンドライフについては、
[SL]まだ終わらないセカンドライフ | fusigineko blog / dejavu-i
でも書きました。
最近のMagSLのSIM群に空き地が目立つことは周知の事実で、いずれ整理統合されることは予想できていましたし、早くしたほうがいいと心配していた人も多いと思うので、今回の発表は納得できるところでしょう。
また最近リンデンラボが有料アカウントの人に無料で土地を配ったのを見てびっくりしたんですが、それはつまり運営会社自らが利用者に少額課金を始めたということで、まさに民業圧迫。
これではMagSLの撤退もやむなしというところです。
でもとりあえず私の自宅があるIkebukuroは存続なので良かったです。
(先日家賃支払いのためログインしたら、メンバーは入れ替わったものの空き地も少ししかありませんでした)
もし移転になったら、私は今ある建物を自力で移動できないので(お友だちに建ててもらった建物なのです)(汗) そのまま私も撤退になりそうです。
※歴史的建造物になりそうな(=放置している)(¨;) MagSL Ikebukuroの自宅
私は、この一件が日本の3Dインターネットと仮想世界の今後にどう影響するかなど、大きなことを考えるようなポジションにおりませんので、ひとりの店子として、そして折にふれていろんなことを教わり、アドバイスしてもらった友人として、株式会社マグスルの今後の発展と繁栄を心からお祈りしますし、inWorldに於いては、MagSLのSIMが昔のように、友だちが集う楽しい場所として長く存続することを願ってやみません。
この件については、こちらのKome Ohさんのブログにも熱い思いが綴られていて、胸を打たれます。
» マグスルの縮小について思うこと>山崎健介の、バーチャルワールド魂<
手広く活動していらっしゃっただけあって(今も現役活動中です)、当時のセカンドライフブームとそれに乗っかろうとした人たちの分析が非常に的を得ていると思います。
私も2007年当時には、「これを仕事にしたい」と願った人間のひとりですが、なんだかわけのわからない人たちがうごめく様にはぞっとしたし、そういう人と袂を分かって、今、こういう地味だけど地に足ついた仕事に携わることができて良かったわって、正直、思ってます。
この一報を耳にする前にもちょうど、セカンドライフの体験と、そこから私が受けた影響のことをつらつら考えていたので、次のエントリーに続けたいと思います。
コメント
[…] This post was mentioned on Twitter by Taifrog Moriarty. Taifrog Moriarty said: 私もここ4年ほど(ずっとか・・)、SLってどうなの?とよく聞かれますが、分かる訳がないと思って適当に答えてますね、、 […]
[…] ※この記事は前のエントリーに関連して書いてます。 […]