【宝塚】TOP HAT＠梅田芸術劇場 / スタンダードな古き良き時代のコメディ

お待たせしました。観劇レポートその１。

http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2015/tophat/index.html

フレッド・アステアの有名な作品ときけば、見に行かないわけにはいかないと、とりあえずチケットを取ったものの、祐飛さんや悠未ひろ、蓮水ゆうやその他、好きだった人がみんないなくなっちゃった宙組で誰を見ればいいんだと、期待するものなく観劇。

そしたら思い出した。
宙組には寿つかさという人物がいたのだと（笑）

すっしーさんはいつもコメディ担当だけど、今回の「TOP HAT」はコメディ担当の出番が多く、おまけにストーリー上の重要ポジションでもあって、大活躍でした。
最初はクスクス笑いだったのが、度重なるおもしろいシーンでみんな爆笑、後半は舞台に出てくるだけで笑いが起きるほどでした。
フィナーレのパレードでは、すっしーさんが誰よりも大きな拍手を浴びていて、さすが大阪だけあるなと。東京ではどうでしょうね。

お客さんはいつもより、シニア世代のご夫婦が目立ちました。青春時代に、フレッド・アステアの映画を見た世代だからだと思います。50代の私でさえ、テレビの洋画劇場で、フレッド・アステアとか、フランク・シナトラとかの映画をいっぱい見ましたからね。

そして、もうひとり存在を忘れていた人に、七海ひろきという人がいました。
彼女は祐飛さんとも縁の深い演技派で、この「TOP HAT」を最後に星組に組替、そして元宙組だった北翔海莉さんに再会することになってます。

若手筆頭だった彼女も、今回は中年の役。だけど台詞も多く、準主役で物語りの進行役だし、すっしーさんと組んでお笑い担当でもあり、こちらも大活躍でした。なんだか頼もしくなったなぁと。

そして『翼ある人びと—ブラームスとクララ・シューマン—』で美しいリスト役だった愛月ひかるが、なんと、竹中直人みたいな変な人の役。
舞台上でもったいつけて服を脱ぎ始めたときは、どうしようかと思いましたよ。
堂々としたぬぎっぷりで、こちらも頼もしかったけど、愛月ひかるちゃんって言えば、美しくて、高貴な雰囲気のある王子様系だと思ってるので、変にお笑い担当になっちゃうのはやめて、と言いたいです。

スカステなどで見ると、えくぼの可愛いおっとりした雰囲気で、美しさ的には花組の柚香光といい勝負かと思っていたけど、最近はあっちが尋常じゃなく美しくなっているので、ちょっと太刀打ちはできないか…(‥;)

と、いうところで、主役のふたりに話を進めると、なんと言っても、みりおんがすばらしい。
歌もダンスも演技でもいっぱいいっぱい見せ場があって、押しも押されぬ主役級。
歌唱指導にあの島田歌穂さんがついたそうだけど、今回のみりおんのゴージャスな歌唱は彼女の指導の成果なのでしょうか。なんかほんと、ザ・女優！って感じで、気持ちのいいスタアっぷりでした。

凰稀かなめさんと組んでたときは、女というより、母親や妹みたいな役が多くて、こういうセクシー路線な役は初めて見たような気がします。って言っても最近宙組をほとんど見てなかったので知らないんですけどね…。

そして朝夏まなとは、『翼ある人びと—ブラームスとクララ・シューマン—』の好演以来ですが、あの役とはうって変わって、陽気で前向きで人生が楽しくてしかたないって感じの主人公の役。
何が起きても上機嫌で笑ってばかりいる青年ですが、こういう、素直でまっすぐでストレートな役は朝夏まなとの素の持ち味に合ってるんじゃないかと思いました。
スカステとかで見てても、思ったことをぽんぽん口にできる、のびのびした性格に見えるから。

宙組は、大空祐飛さん、凰稀かなめさんと、タイプは違えど深く考えるタイプのトップさんが続いていたから、こういう明るい軽やかな感じのトップさんを迎えるのは良いかもしれません。
もうじきあの、宝塚一の美貌の真風涼帆さんが２番手でやってくるんですよね。どういう感じになるのでしょうか。ずいぶん雰囲気が変わりそうですね。

あとは下記ブログ記事をリンクしておきます。読みながら「ほんと、そうそう、その通り！」って思ったので(^^ゞ
新生宙組トップコンビ、梅芸で大輪の花を咲かせる！ミュージカル「TOP HAT」｜薮下哲司の宝塚歌劇支局プラス
 [Zuka] 2015年宙組『TOP HAT』@梅芸　千秋楽 | まいにち生活

＜おまけ＞
元宙組といえば。蘭寿とむさんのブログにこんな写真が！大好きだった春風弥里ちゃんも！花組で蘭寿とむさんといっしょに「オーシャンズ11」に出てたのを見たけど、元はといえば、みんな宙組にいたんですよね。あの北翔海莉さんもいっしょにね。豪華だったな、今にして思えば。