セカンドライフ症候群

By , 2010 年 3 月 31 日 9:54 PM

  ※この記事は前のエントリーに関連して書いてます。

寒い中にも春の気配が感じられる今時分になると、ふっと2007年の春のことを思い出します。

SLCOM blog : OSCご来場ありがとうございました! – セカンドライフコミュニティJAPAN Second Life Community JAPAN

OSC会場でNekoさんがミニセミナーをやっているところです。
よく見ると、テレビ局のカメラが写っていますね。
オンエアには使わなかったと思うけど、この日はふたつの局の取材が入って、部屋を占領。
他のコミュニティの人たちに、ひどく迷惑をかけて冷や汗ものだったことを思い出します。

この年の正月明けに突然セカンドライフの熱病にかかり
友だちのMikaさんといっしょに、XOOPS Cubeでコミュニティ(SLCOM)を立ち上げ
東京のデブサミのXOOPSブースで、ふたりでSLCOMのチラシを配り
翌月のOSCにふたりで出展を決め、当時できたばかりのNaviSLを利用してヘルパーを集め
展示を盛り上げるためにリアルとinWorldをつないだ「アバターコンテスト」を企画し
当日、フタをあけてみたら、大オフ会みたいになっていた…

テレビ局の取材陣は誰彼かまわずインタビューしまくるわ、
そのあと自宅まで押しかけて撮りまくるわ、
大騒ぎ。

3月のその時点ではみんな、SL歴わずか数ヶ月で、何事も全部手探りで。
何をしても、何を見ても、誰と会っても新鮮でした。

それがまさかこういうことになるとはね…。

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当時のワクワク感を多少なりとも共有した方に、この間ばったり会いまして…

Twitter山ちゃんオフ会に行ってきました! | fusigineko blog / dejavu-i 

この方がその後、SLにはのめり込まずに力を温存し(?)、今年のTwitteブームをタイミングよくとらえてカリスマTwittererになっていたのには、大いに驚いたのですが…

…残念だったよね。

という話はちょっとだけしました。
残念だったです。SLは。
もっと楽しく、もっとワクワクできる、もっと夢のある展開を期待していたのに、起きたことといえば

企業に売り込んで儲けようぜ!

…。

企業に売り込むのはいいんですが、そういうことを言ってる人たちは私に対して「プロの仕事はプロにまかせて、シロウトはそこをどけ!」みたいな態度でしたから…。

よく意味がわからない…。

今でも、いまひとつ納得できてない…。

私にとっては、SLCOMは生まれて初めてGoogleの1ページ目に登場させたサイトでしたし、SL内にあったSLCOMのショップは生まれて初めての「有名で人気あるショップ」でしたし、私のアバターもそれにつれて名前が知られて、初対面の人(アバター)から「あっ、SLCOMのikukoさんだ!」って言ってもらえる有名人体験ができて、まったくこの上ない幸せでした。

それ以前のリアルライフではそういう成功体験はひとつもなかったですからね…(~_~;)

仮想世界の体験であっても、体験は体験なんですよね。
成功の感覚がつかめるというか、イメージできるというか。
SLCOMの成功体験があったから、それまでは売れるわけないと思って放置していたWEBショップを本気でやり始めたというのは事実です。

だから、SL体験が全部無駄だったとは言わない。
無駄どころか、得難い体験をできたし、他では出会うことができなかったような才能やビジョンを持った人たちと知り合えて、やはり私の人生は大きく開けた気がする。

…でも、だけど、こういうふうに終わるとは思わなかったんだよねぇ、当時。この2007年の3月には。

2007年後半に、いくつかSIM構築の仕事をさせてもらったあと、2月から決まっていた本の執筆作業を終え、年末にはSLの仕事を撤退しました。

その後は、SLCOMの維持と、SL24というイベントのボランティアを2年続けましたが、今年の2月に、SLCOMサイトの投稿受付を全面的に終了。SL内で継続していた活動はいったんゼロに戻りました。

SLCOM サービス終了のお知らせ | fusigineko blog / dejavu-i

始めたものはいつかは終わるし、当初の目的を果たしたのだから、これでいいとは思うのですが、

…なんだかね、違うのよね。

   もっと素敵でワクワクする何かが、その先にあるような気がしたんだけど…

それがいったい何だったのか。
自分でも、よく分かりません。

ただ覚えているのは、あのワクワク感。

ドアが開いて、大きな自由の中に飛び出していけるような予感。

ようやく待ちに待った時が来た!という確信。

——————–

なんだけど、現実は変わらず。

私はやっぱり、SLのフィーバーに浮かされて、燃え尽きた人なのかも。

ウィンドサーフィンをしてると、一時、何もかも全部忘れてアタマ真っ白になれるんだけど、それとは違うワクワク感。目の前がぱーっと開けるような気持ち。

この先、どんなに仕事で成功しても、どんなにお金を儲けても、あの時のようにワクワク・どきどきできる気がしないんですよね。
それで、いつもどこか、醒めてる感じで。

うむー。
これはきっと、ワクワク・どきどき中毒症に違いない。
病気だ、病気。きっとそう。

この平和で穏やかな暮らしに満足してるけど、いつかまたどこかで、虹みたいにカラフルで、ワクワクどきどきするような仕事をしてみたい。

この間、ソフトバンクの孫さんのUSTを2時間も見たせいで洗脳されたかもしれないけど、やっぱりせっかくこの世に生まれたからには「命燃やし尽くすような」人生を送りたいって、2007年の春を思い出すたびに、願ってしまいます。

マグスルがセカンドライフ事業縮小!

By , 2010 年 3 月 31 日 8:40 PM

忙しいです。
やるべきことは多くないと思うんですが、意味なくバタバタしている感じです。
年度末だったからでしょうか。
それとも…(~_~;)

——–

今日、2010年3月31日に、株式会社マグスルからお知らせが出ました。
セカンドライフ事業縮小のお知らせ | マグスルからのお知らせ | マグスルで仮想世界セカンドライフを始めよう

ほかのみなさんのブログ等でも耳タコな話ですが、私自身、今も何かの集まりでセカンドライフの話になると

「セカンドライフってまだあるの」
「セカンドライフって失敗だったんでしょ」
「もう誰もやってないでしょ」

などと質問されて、なんだかな〜という気分になることがあります。
その気分を、自分の言葉でうまく説明できなかったのですが、そのビミョウな心境が、上記、マグスルのNeko Linkさんの文章に端的に表現されています。

部分的な引用では、ニュアンスが伝わらない気がしたので、無芸ですみませんが、私が共鳴した後半部分を全文、引用しておきます。

マグスルは平成18年11月より株式会社ジップサービスの事業部として始まりました。当時、セカンドライフに大きな将来性を感じ、来る3Dインターネット時代への橋渡しとなるであろうと考えて取り組みました。その年の年末、セカンドライフが日経新聞の1面に大きく取り上げられたことにより、アメリカに続き日本でもセカンドライフブームとなりました。その後、株式会社ジップサービスより事業を移管することで平成19年6月に株式会社マグスルは誕生いたしました。

当時はまだ、一般の方々が3Dグラフィックを処理できるパソコンをもっているケースは非常に少なく、セカンドライフをプレイしようと考えてもなかなか難しい状況でした。にもかかわらず多くのマスメディアがセカンドライフを特集し、見たことのないセカンドライフを想像することによって記事が企画され、先入観を元に取材され、それを元にお金が儲かる次世代インターネットとして歪められた情報となって世に広まりました。

私も多くの取材を受けましたが、こちらが一通りの正しい情報を伝えても、それが番組や記事になるときには、取材の内容からお金が儲かる部分だけが抜粋されていました。たしかにセカンドライフの中にはいろいろなビジネスのチャンスがありました。同時にビジネスとは無関係のもっと楽しい部分もたくさんありました。

テレビや雑誌の記事を見られた多くの方々が、しかも100万人をゆうに超える人々が、セカンドライフにビジネスチャンスを求めて参加されました。しかし、おそらく9割の方がパソコンが3Dに対応していなかったためにログインすら出来なかったと思います。それほどセカンドライフブームは当時には早すぎるものでした。

私たち、ブーム以前のセカンドライフ企業は5年先の時代を見据えていました。販売されるすべてのパソコンが3Dグラフィックに対応し、ゲームや携帯電話、映画が3Dになる時代です。そのときセカンドライフのようなサービスは当たり前のものとして利用されるであろうと考えていました。また、多くの同様のサービスのなかで、セカンドライフは恐ろしく秀でていました。

単なるアバターチャットサービスとは異なり、非常に自由度が高く、3Dオブジェクトの作成ツールを備え、UGC(ユーザジェネレイテッドコンテンツ)のプラットフォームであり、巨大なクラウドサービスであり、全世界のユーザ同士で利用できる手数料なしのマイクロ決済機能をもち、誰もがコンテンツビジネスに参加することができました。有料の土地(サーバ)を契約することで、インターネット上にサーバをもったときと同様にサービスを提供したり、ものを販売したり、趣味の空間を作ったりすることができました。そしてそれをアバターを通してリアルタイムに会話しながら共有することができました。

セカンドライフにログインできた10万人ほどの日本人は、上記のような本当のセカンドライフを楽しむことが出来たと思います。そしてこれからも楽しむことが出来ると思います。多くの友達と毎晩チャットやボイスチャットを楽しみ、共同でいろいろな物をつくったり、スクリプトでそれを自由に動かしたり、イベントを楽しんだり、教室で先生から新しいことを学んだり、ライブハウスで生歌を聴きながら騒いだり。ブラウザの上ではまったくできない、新しいインターネットがセカンドライフの上にはあり、誰もが自分のアイデア次第で新しいことを発明することができ、世界中の人と楽しみを共有できます。

しかしながら、多くの日本人はそれを知りません。忙しい人は、セカンドライフをそこまで知るほどプレイしません。セカンドライフの奥の深さは他社を突き放すすばらしい点でもあり、同時に理解しがたいという弱点でもあります。その結果、残念ながら世の中は理解せぬまま批判的な見方をする人が多数となってしまいました。インターネットにはセカンドライフはもう終わったという記事があふれています。それを書いた人はろくにセカンドライフを見てもいないのに。

今後のセカンドライフは、世界レベルではブラジルの好景気に押され、個人ユーザはまだまだ増えていくことと思われます。また、日本でも徐々にその楽しさが知られ、ユーザーを獲得してゆくと思います。仮想アイテム市場はセカンドライフに限らず、世界的に盛り上がっていくことは疑いなく、今後も発展するでしょう。セカンドライフを運営するリンデンラボはすでに黒字化しており、多くのインターネットサービスのように存亡の危機にあるわけでもなく、皆様が利用する限り続くと思われます。

私がセカンドライフからの撤退を決心したのは、SLの発展を疑うからではありません。私とリンデンラボの方針の齟齬が埋められなくなったためです。当初、セカンドライフはオープンソースを標榜し、我々ユーザーの権利を守り、コミュニティとのエコシステムを構築してゆくことを方針としていました。そして私たちビジネスユーザーはその方針のもとでセカンドライフの支援を始めました。しかし、今はすでにリンデンラボに創設者たちは居らず、方針は大きく変わりつつあります。マグスルのビジネスはいまや日本の同業他社ではなく、運営元であるリンデンラボ自体と競合しており、日に日に協力しあうことが難しくなっています。

これはマグスルにとっては残念なことですが、セカンドライフ全体にとっては、より安全で管理された世界をつくる上で必要な変化なのかもしれません。答えは今すぐにはでませんが、現在の状況から考えるとマグスルのような事業形態では長期的に取り組むプラットフォームではないと判断した次第です。

今回、MagSL はゆるやかながらも撤退という道を選びますが、引き続きセカンドライフの行く末をみながら Neko Link 個人はセカンドライフを1ユーザとして楽しむつもりです。

セカンドライフユーザーの今後のご活躍とご発展をお祈りいたします。

MagSL Inc. Neko Link

Neko Link氏とセカンドライフについては、
[SL]まだ終わらないセカンドライフ | fusigineko blog / dejavu-i
でも書きました。

最近のMagSLのSIM群に空き地が目立つことは周知の事実で、いずれ整理統合されることは予想できていましたし、早くしたほうがいいと心配していた人も多いと思うので、今回の発表は納得できるところでしょう。

また最近リンデンラボが有料アカウントの人に無料で土地を配ったのを見てびっくりしたんですが、それはつまり運営会社自らが利用者に少額課金を始めたということで、まさに民業圧迫。

これではMagSLの撤退もやむなしというところです。

でもとりあえず私の自宅があるIkebukuroは存続なので良かったです。
(先日家賃支払いのためログインしたら、メンバーは入れ替わったものの空き地も少ししかありませんでした)
もし移転になったら、私は今ある建物を自力で移動できないので(お友だちに建ててもらった建物なのです)(汗) そのまま私も撤退になりそうです。

 ※歴史的建造物になりそうな(=放置している)(¨;) MagSL Ikebukuroの自宅

私は、この一件が日本の3Dインターネットと仮想世界の今後にどう影響するかなど、大きなことを考えるようなポジションにおりませんので、ひとりの店子として、そして折にふれていろんなことを教わり、アドバイスしてもらった友人として、株式会社マグスルの今後の発展と繁栄を心からお祈りしますし、inWorldに於いては、MagSLのSIMが昔のように、友だちが集う楽しい場所として長く存続することを願ってやみません。

この件については、こちらのKome Ohさんのブログにも熱い思いが綴られていて、胸を打たれます。
» マグスルの縮小について思うこと>山崎健介の、バーチャルワールド魂<

手広く活動していらっしゃっただけあって(今も現役活動中です)、当時のセカンドライフブームとそれに乗っかろうとした人たちの分析が非常に的を得ていると思います。

私も2007年当時には、「これを仕事にしたい」と願った人間のひとりですが、なんだかわけのわからない人たちがうごめく様にはぞっとしたし、そういう人と袂を分かって、今、こういう地味だけど地に足ついた仕事に携わることができて良かったわって、正直、思ってます。

この一報を耳にする前にもちょうど、セカンドライフの体験と、そこから私が受けた影響のことをつらつら考えていたので、次のエントリーに続けたいと思います。

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