Category: 読書記録

【本】島田順子スタイル

By , 2012 年 4 月 10 日 5:29 PM

毎週1度の英会話教室が、唯一の社交の機会となっております、引きこもり中のIKUKOです。
新年度から新しい受講者が増えて、にぎやかで楽しいです。

ところで、数週間前にこの本を買いました。

JUNKO SHIMADAの島田順子さんです。
ファッションには詳しくないし、島田順子さんご自身の写真を見るのも初めてですが、いつも行くスーパーの書籍コーナーでこの表紙を見て、引き寄せられてぱらぱら中を見て、それからなぜか忘れられなくなって、次の日に購入しました。

書いてあることはあまり読んでいません。
でも、どの写真を見ても、すごく素敵で、目が離せません。

70歳を超えて、今なおパリの街角に立って、堂々とポーズを取れるこの自信。
決してけばけばしくなく、上品でゴージャスな、70歳。

長い間、この世の実在の人で人生の目標にしたいような人はいなかったんだけど、初めて「あと20年たったら、こんな人になっていたい」と思いました。

それは着ている服の話ではなく、どこに住んで何を仕事とするかというライフスタイルでもなく、人として。

自分の仕事や、やってきたことや、今の生活や、年齢や、境遇など、自分のすべてに対して、「ベストを尽くしてやってきた」という自信と満足を感じて、堂々と生きていたい。

それは多分、世間の評価とか、売上額とか、そういうことじゃなくて、自分がどれくらい自分の気持ちに正直に生きたかで、決まってくるんじゃないかと思います。

表紙の写真は、私に向かって「だいじょうぶ、できるわよ。」って励ましてくれてるみたいに思えます。
70歳でも現役バリバリ。私なんかまだまだ、ひよっこですね!

【読書】インベストメント ハードラー /為末 大

By , 2011 年 12 月 27 日 1:44 PM

どうしてこの本を買おうと思ったのか全然記憶がないんですが、気がついたらAmazonで、ワンクリックオーダーしていました(^^;

素直に面白い、良い本でした。
Amazonの書評がおおむね、当たってる感じです。

言わずと知れたハードルの為末選手が、プロの陸上選手という「在り方」を選んだ理由とか、陸上のかたわら興味を持って取り組んだ株式や不動産への投資の話が、具体的に、金額も含めて書いてあります。

陸上はもちろんですが、投資やお金についての感覚も、小さい頃からユニークだったようです。
お金でも物でも、ほんとうに必要とされている所へ持っていって与えてあげれば、役に立ち、喜ばれ、儲かる、というのは、「なるほど」と納得できる話です。

今は、為末選手のように、敷かれたレールではなく自分が「これ」と思った道を行く人は「異端」だけど、これからは、敷かれたレールが必ずしも人生の終わりまでつながってない時代で、人生の最後のほうでレールが途切れるか、途中で途切れるか、もしくは最初からレールに乗れないか、の3択みたいな状況になると予想しているので、為末選手みみたいな「独立系」人間が、日本人の中にも増えて行くんでしょうね。

面白いので、一読されることをオススメします。

西のはての年代記3部作/アーシュラ・K. ル=グウィンの

By , 2011 年 6 月 23 日 12:08 PM

 

アーシュラ・K. ル=グウィン といえばSFファンなら知らない人はいない有名な作家。
なんだけど、この三部作は、図書館の児童文学コーナーに並んでいます。
内容はSFというより、伝統的なファンタジー系列の冒険譚。

アーシュラ・K. ル=グウィンは1929年生まれだそうなので、祖父母の世代は18世紀の人ですね。きっと幼児期の体験として、18世紀の古き良き時代の暮らしを体験しているんじゃないでしょうか。中世の自給自足を基本とした暮らしが、生き生きと描かれています。

この三部作は、2000年代になってから書かれている、すごく新しい作品なんだけど、書いた時代を全然感じさせません。きっと50年後、100年後にも、違和感なく読み継がれると思います。
また、作家が70代とは思えないくらいみずみずしい、少年少女の描写にも驚きます。

きっとこれが、アーシュラ・K. ル=グウィンに与えられた「ギフト」なのでしょうね。
お話を紡ぎ出す才能。すばらしいことです。

欧米文学には、児童向けの良質な(つまり、大人が読んでもたいくつじゃない、子どもだましじゃない良質な小説)が、数多くありますね。
日本では、幼児向けの絵本は良質だけど、小学生〜中学生向けの本で、尊敬に値するようなものはひとつも思い浮かません。

日本の小中学生のことを真剣に考えていたのは、この数十年間、マンガとゲーム業界だけだったんじゃないでしょうか。その効果で、今や、日本のマンガとゲームは、世界中の子どもに愛されるようになっていますから、やっぱり、本気でがっつり、どうやったら子どもたちを楽しませ、子どもたちに愛される作品を作れるかって、考えつづける姿勢が大切なんでしょうね。

いずれにしても、世界に目を向ければそこにはいつも、すごい人、すばらしい人が、たくさん活躍していて、勇気づけられます。

[本] 暁の円卓 / ラルフ・イーザウ

By , 2011 年 6 月 4 日 8:30 PM

技術書とかビジネス書とか、現実的な本ばかり読みすぎて想像力が退化しているので(!)
何年ぶりかで図書館へ行って、子ども向けの本をいっぱい借りてきて読んでます。
子ども向けって言っても、海外のファンタジーをなめてはいけません。西洋には子ども向けの文学の伝統があるんじゃないでしょうかね。名作がいっぱいあります。

この「暁の円卓」もファンタジーの児童書ですが、ストーリーそのものよりも時代背景が面白くて、大人でも読み応えがあると思います。

全9巻中、まだ4巻までしか読んでませんが(それも飛ばし飛ばし)
かいつまでいうと、18世紀末に画策された巨大な陰謀を阻止すべく運命づけられて生まれてきた、特殊な能力と100年の寿命を持つ主人公が、1900年の1月1日に生まれたところから話がスタートするのですが、のっけから、場面は明治時代の東京。主人公は伊藤博文の甥と幼なじみでいっしょに育つとか、まだ幼かったヒロヒト親王(後の昭和天皇ですね、もちろん)と仲良くなるなど、ありえない展開ではありますが、ガイジンが書いた日本の様子としては、たいへん現実的で(たしかにそういうふうに見えただろうな)と思えて新鮮。

その後、ストーリーの進行に合わせて、場面はアメリカからイギリスへ。そして第一次世界大戦に従軍。フランスの塹壕で2年を過ごし、そのあとバチカンを経てナチスが台頭しはじめたベルリンへ…。ワールドワイドな展開です。

まるで、教科書の中にタイムスリップして、世界史の中にひとりの人間になって迷い込んだような、面白い体験ができる本です。

歴史上の有名人が通行人みたいな役所で登場するのも楽しく。
個人的には、主人公が、オックスフォードのカフェで、偶然、J.R.R.トールキン本人とばったり会って、指輪あるいは円環の意味するところをレクチャーされるシーンにびっくり。
(この「暁の円卓」も指輪にまつわるストーリーで、もちろん「指輪物語」へのオマージュに違いありません)
Wikipediaで調べた範囲では、トールキンは本当にその時期に、オックスフォードに来ていたようで、史実とフィクションが見事に融合されてて、その意味でもすばらしい。

その他にも、私が知らないだけで、実在の人物たちが登場してるかもしれません。

ファンタジー小説としては、設定もストーリーも壮大すぎて、どうかすると陳腐化しそうなぎりぎりの線かなと思うけど、なにしろそういう史実の織り込み方がすごいので、最後まで読んでみようと思ってます。
近代史が好きな人には、オススメ。

作者のラルフ・イーザウはベルリン生まれの作家で、「ネシャン・サーガ」のほうが有名かもしれません。
私はどれも読んでないので、図書館で目を通してみるつもりです。

[本]華僑流 おカネと人生の管理術 / 宋文洲

By , 2011 年 5 月 29 日 10:32 AM

Wikipediaによれば…

華僑(かきょう)は、中華人民共和国の中国共産党政府の定義によると、「中国大陸・台湾・香港・マカオ以外の国家・地域に移住しながらも、中国の国籍を持つ漢民族」を指す呼称である。

つまり、本国を離れて世界中で暮らす中国人のことで、商売上手というイメージがあるので、前から実際の華僑の暮らしってどんなものなのか知りたいと思っていたところに、「宋メール」でこの本の発売の宣伝が流れてきたのでリンクから一発。「1クリック」でお買い上げ。その間に要した時間は多分15秒くらい(^^;

こういうお客さんばかりだと、うちのECサイトも繁盛するんだけど(笑)

さて本の内容ですが、華僑の本じゃなくて、日本のビジネスマン向けに、華僑的なリスクマネージメントと生き方の戦略を解説して、最終的には、「日本人よ、もっと前向きに、リスクをとって、自分がやりたいようにやってごらんよ!そしたら人生はもっと楽しく、生きがいのあるものになるよ!」…ということを説いた本です。

Amazonにまだ書評が出ていないようで、情報が少ないので、目次だけここに書いておきます。

プロローグ はじめから屈強な「華僑」なんていない
・私の人生は挫折の連続
・社長なのに出社拒否をした若き日の私
・苦境脱出のきっかけになった華僑の言葉
・私の人生を支えた華僑のノウハウ
・孤立無援で「生き残る」ための力

第1章「和僑」的生き方のすすめ
・華僑ならぬ「和僑」が増えてきた
・リスクを冒しても、和僑になる価値はある
・どうせなら自分で種をまこうよ
・何もしないより、チャレンジをして失敗した方がいい
・失敗によって得られる大きな財産とは
・悪夢の先にこそ、素晴らしい世界が待っている
・リスクをとって行動するとは、楽しい行為
・リスクをとって行動すること自体が、成功だ

第2章「失敗」と思い込んでいる日本人
・日本人は自信を失っている!?
・そのリスクは本当にリスクなのか
・失敗でも何でもないことを、失敗だと思い込んでいないか
・本当の失敗なんて、よほどのことがない限り起こり得ない
・大きな組織に依存してはいないか
・「世の中の空気」「権威」を信じ込む人々
・お金を騙し取られても、悪いのは私
・国と自分は別物

第3章「成功」とは自分のためのものである
・「他人評価」の呪縛が人を不幸にする
・自分にとっての「成功」を定義し直そう
・華僑にとっての「成功」とは何か
・本当の成功に出会うための近道
・金持ちに憧れている人は、金持ちになれない
・華僑は「三把刀」から始める
・あれこれもがいていると、偶然、目標が見つかる

第4章「理財」をするから、華僑は生き残れる
・リスクマネジメントの有無で、人生の明暗は分かれる
・華僑がおこなう二重三重のリスク対策
・「理財」をしない華僑はいない
・失敗しないと、「思い込み」や「決めつけ」に気づかない
・理財の経験は人生のリスクマネジメントに役立つ
・投資や資産運用は後ろめたい行為か
・あなたのモラルを一度点検してみよう
・借金の鉄則は「1:0.6」

第5章 最悪の事態に備えて「小瓶」をつくれ
・ボロボロに傷ついた私を救った「小瓶」
・家族と健康さえあれば、何度でもやりなおせる
・華僑が考えるエリート教育
・私が中国での子育てを決意した理由
・生きる本能が動き出す環境
・親からの「家書」が子どもを助ける

第6章「個人」の成功と「会社」の成功は別物
・なぜ私は「孤立」してしまったのか
・良好な人間関係を築くための条件
・意識の持ち方一つで人間関係は変わる
・仕事に「仲間」という概念を持ち込むなかれ
・「俺がいないと会社が回らなくなる」の真実
・百戦錬磨の人を信じ込んではいけない
・得意分野にこだわる人と組んでは、共に沈む
・なぜ「この人に賭けよう」とするのか
・華僑はチャイナタウンを頼りにしているか
・「文化は慣れ」と割り切ろう

第7章「最大のリスク」は自分の心の中に潜んでいる

・人生におけるリスクは、自分のヤキモチにも潜んでいる
・「ヤキモチを妬いている」と素直に認めよう
・本当の成功を考えるスタート地点
・他人のヤキモチは「正義」や「モラル」の顔をしてやってくる
・いちいちヤキモチかどうか考えないほうがいい
・悪口を肥やしにしよう

私が自分の体験に照らして読んだ範囲では、華僑の心得の「理財」(財産を分散投資して守り、増やす思想)だけが、自分の暮らしに、ごっそり抜け落ちた部分だなと感じましたが、それ以外は、まさに私がやってきたことがそのまんま、書いてあるような感じで、目新しさがなくて拍子抜けするくらいでした。

見知らぬ人のなかにぽんと放り込まれ、誰からの助けもあてにできず、自分ひとりで何でも乗り切らないといけない転校生という状況を、小さいときに何度も繰り返し体験したおかげで、私の人生観・世界観は、日本人よりも華僑に近い感覚になっているようです。

だから逆に、集団の利益を最優先に、まわりの空気を読みながら、穏便に穏便に物事を進めるというのは、私にはできないワザなのです。

…そんなことはさておき。

本書を読んで、私も将来的には「理財」ということを意識してみようと思ったし、5章で紹介されていた「家書」というものは、私も自分なりに作って、子どもに伝えようと思いました。

家書

「家書」とは家庭内で伝えていく生き残りの秘伝みたいなもので、他人には教えないものだそうです。なぜ教えないかというと、おおっぴらに言ったらひんしゅくを買うような、不謹慎な内容だからです。いわゆる「みんな思ってるけど誰も言わない真実」ってやつ。

どういう人間がインチキで、どういう人間が信頼できるか、とか。
お金を儲けるというのは、お給料をもらうのと、どう違うか、とか。

自営業をやっていると分かってくるいろんなノウハウというか「観察結果」みたいなものが私にも多少は溜まりつつあるのですが、それをまさか子どもに伝えるなんて、今まで、まったく頭に浮かびませんでした。
どこかで、子どもにはそういうドロドロした話はすべきでないと思っていたかもしれません。

でも考えてみれば、子どもにこそ、そういうノウハウを伝えて、リスクをとりつつ自分のやりたいことを切り開いていく生き方ができるように、手助けすべきですね。
私も、まだまだ華僑的リスク管理が徹底していなかったなーと、ちょっぴり目からウロコ。

いざ明文化しようと思うと、けっこう難しいけど。
でも、何かノートにメモをためていくと、けっこうまとまるかも。
家書は門外不出なので、公開は、しないんですけどねw

[本]願いを叶える大量の本〜あとは何冊読んでも同じ

By , 2011 年 1 月 20 日 12:10 AM

本棚の整理をしていたら、成功哲学=願望実現系の本がこんなに…

どんだけ富と成功に飢えてるんだー!って感じで、恥ずかしいですが、これと同じくらいの量をAmazonのマーケットプレイスで売った記憶があるので、この倍は読んだってことですね…(~_~;)

(マーケットプレイスではここ数年間、この手の本は出せば売れる状態だったので、買って読んで「合わないな」と思ったら速攻売っていました。最近ちょっと売れ行きが鈍ってきたかな。きっと同じような本が出過ぎて成功哲学本市場は飽和状態なんだと思います)

気に入っている数冊を手元に残して、あとは耕望の本棚に移動です。
ちなみに、最近のお気に入りは、この2冊。

上は2008年、下は2007年に購入している…と、Amazonのページに表示されている!…ので、それ以後はみるべき本がない、というか、もう何冊読んでも同じことの焼き直し状態になっている感じがします。

「魔法の教室」の作者エンリケ・バリオスは、あの「宇宙人アミ」を書いた人です。「宇宙人アミ」はすごくいい本です。あまりに素敵で、続きを読んでがっかりしたくないので、続編を買っていないという(笑)アホですね>自分。
一応、リンク貼っときます。

結局のところ、いきつくのは、人間はなぜ、生きているのか、というところです。

願いが叶うっていうけど、じゃあ、お金が儲かればいいのか、豪邸に住めば満足なのか、健康で不老不死だったら幸せなのか、どうなのか。

長いこと、願望について考え続けていると、そこのところに行き着きます。つまり、

「わたしは何を望んでいるの?」

「わたはいったい、どうなりたいの?」

「っていうか、そもそも、なぜこの世に生まれて、今ここで生きているの?」

ということです。

おかしなことに、この3つめの疑問は、私がごく小さい頃から、幼稚園に入るか入らない頃からずっとすごーく不思議に思っていたことです。

でも当時はまだ、言葉が少なかったし、ちゃんと話を聞いてくれる人もいなかったから、心の中にしまったまま「なかったことに」していたけど。

なんか、おとなになって、いろいろあって、それでも結局またここに戻るのか、ふりだしに戻っただけじゃん!
という感じもしますが。

まあ…願えば「なんでも」叶うというからには、宇宙人に会わせてもらおうじゃないの。UFOにも乗せてもらいたいものよね…。それでこそ「なんでも」でしょ?お金を稼ぐとか、豪邸に住むとか、別に奇跡が起きなくても、できる人はやってることだし。

…ということで、ピンクと水色のUFOの夢を見ながら、寝ることにします。おやすみなさーい。

【読書】ロスト・シンボル/ダン・ブラウン〜空想力は人類の宝

By , 2010 年 12 月 26 日 6:27 PM

作者はあの『ダ・ヴィンチ・コード』を書いた人です。
『ロスト・シンボル』は、『ダ・ヴィンチ・コード』の主人公ラングトンが登場するシリーズ第三作だそうです。内容は、今回、最後の晩餐とマグダラのマリアではなくて、フリーメーソンと純粋知性科学。

フリーメーソンについてはすでにみなさんもご存じの通り。実在の団体で、日本にも支部があるそうです。あの鳩山元首相もメーソンだと、この本の帯に書いてあります。本当でしょうか。

純粋知性科学については、日本語情報が少ないようですが、これも実在する科学のようです。内容については…ややこしそうなので、本書をお読みください(爆)

とにかく私は、この手の本が一番好き。
壮大な謎と、スリル満点の冒険が詰まっています。
フリーマントルや、アーサー・ヘイリー、ジェフリー・アーチャーやマイケル・クライトンで、育ってきたといっても過言ではありません。
これらの作品群は、誰が読んでも面白い、いつ読んでも楽しめるという意味で、ハリウッド映画のように世界で受け入れられるジャンルだと思います。

さて、本書の内容ですが、ダヴィンチコードを読んだ方なら、違和感なくそのまま世界が続いてる感じだと思います。近所のスーパーの書店に上巻だけあったので、誘惑に耐えられなくて買って帰って、その晩にはAmazonで下巻を中古で購入しました。よく考えたら上巻も中古で買えば良かったんだよねえ。でもまあその場の衝動ですから…。

冒頭から事件勃発、いきなりの大ピンチと、息もつかせぬ展開で、こういうの好きな人なら間違いなく楽しめる、上質エンターテインメントと思います。
こういうジャンルで活躍する日本人作家って、思い浮かびませんね。グローバルに通用するキリスト教や英米世界の題材でないと世界では通用しないので、日本人には難しいのかな。
吉本ばななや村上春樹のようなセンシティブな文学系は、そういう制約を受けないので、かえってグローバル展開に向いているのかも(両者とも日本文学としてはちょっと浮世離れして、西洋チックですから)

ちなみに上のリンク先には、ダン・ブラウン本人によるプロモーションビデオ(日本のユーザー向け・字幕つき)があります。私も本人を見るのは初めてです(^^;

繰り返しますが、私は子どもの頃から、学校や職場のことなど日常の雑多な心配事や喧噪から離れて、こういう架空の世界に遊ぶ時間が、何よりも好きでした。
その世界は架空だと分かっていても、むしろ架空だと分かっているからこそ、時を忘れて楽しめる。
その情報が役に立つかどうかとか、資格が取れるのかとか、本を読んだらキャリアアップできるのかとか、そういう「アホな」ことを考えず、無心にお話世界を楽しむ。

このことの良さと価値を、私の周囲にいた大人はひとりとして認めず、「本なんか読んで遊んでないで勉強しなさい」と、判で押したようなことしか言わなかったけど(なので、本は隠れて読んでいました)

でも、この世にないものを夢見るのは、人間だけに与えられた能力で、人間はその空想をもとにたくさんの発明をして文明を発展させてきたわけなので、その空想能力を活性化するのが悪いことなわけがありません。

それから、自分の子どもを虐待して殺してしまったり、好きな相手に振られたから殺したりするのは、「もし自分がその子だったら」「もし自分がその相手だったら」と、その人の身になって想像する、ということができないためだと思います。もし、殴られたらどんなに痛いだろうって、相手の身になって想像できさえすれば、避けられた悲劇がたくさんあったはず。

人間の子どもは「たまごっち」じゃない。ばしばし叩くのがしつけじゃない。自分の子どもの頃を思い出したらすぐ分かるでしょうに、そんなこと。
…でも、それができないというのは、多分「他人の身になる」という想像力が欠けているんだと思います。

だから私は、小説を読んで空想することは、人間にとって非常に大切なのだ!と確信しています。
映画やゲームでもいいけど、一番想像する力を必要とするのは、文章で体験する架空世界だと思うので、とりあえず小説かなと。

で、気になったエントリがあったのでご紹介。
フィクション欠乏症について – レジデント初期研修用資料
・オカルトの摂取は大切
・フィクションの力
・創造は欠乏から生まれる
・いかがわしいものには意味がある

フィクション(架空の世界)というものに、早くから触れて、「飽きておく」ということが大人として生きる上で大切だという話です。ご一読ください。

私は、いまだにフィクションに飽きないアホな人間ですが、フィクションの世界という「楽園」をいつも持って生きていられる自とが、このうえなく幸せだと感じています。

【読書】ビジネスに役立つ「商売の日本史」講義/藤野英人

By , 2010 年 12 月 24 日 9:48 PM

Amazonのレビューは今日の時点でまだ1件しかないけど、的を得た書評だと思います。

プロのファンドマネージャーである著者が語る、「古事記」「日本書紀」から現代までの日本史を経済の面から見直した本。

大きな流れでいうと、日本は古来、下のふたつの状態の間を行ったり来たりしているのだそうです。
・中国が強大な時は海洋民族的(開放路線で積極的に海外と交流する)
・中国が弱体化している時期には農耕民族的(国を閉ざし固定的な階級社会を作る)

日本は長い江戸時代の影響か、自分自身で「日本人は農耕民族で、温厚で、内向き」と思い込んでいるけど、実は、倭寇みたいな海賊の血も流れていて、必ずしも草食系とは限らないという話とか。
歴史が好きな人は、普通に読んでも楽しめる本。

ビジネスに役立つかどうかは、ちょっとわかりませんが…

でも米や穀物の先物取引は江戸時代には確立していたという話とか、今につながる経済の基礎はずーっと昔に出来ていたんだと思うと、不思議な感じがします。

それとか、享保・天保などの江戸時代の改革は全部、経済オンチの武士主導だったため、ことごとく失敗に終わったとか、まるで昨今の政府の迷走経済政策の話かと思うようなデジャヴ感があったり。

国が穏やかに、問題なく、完璧に治まっている時代というのは、実際のところ、有史以来一度も存在してなくて、世の中というのはいつも、富を求める人々のエネルギーによって寄せては返す波のように揺れ動いているものなんだなって、世界の見え方がちょっとだけ、変わった気がしました。

人が経済活動をして、生きていくということが、世界なのですね。
細胞が新陳代謝して、エネルギーを取り込み、老廃物を吐きだしながら、生まれて死んでいくように、
人間も、その時々で、できる限りの力を尽くして経済活動をして、成功したり失敗したりしながら、与えられた一生を過ごし、そして消えていくんです。

経済活動というのは、呼吸と同じ。
お金を儲けてそれを使うというのは、生きているということと、ほぼ同義なのです。

ファンドマネージャーである著者は、そうした人間の経済活動に深く関わってきた経験から、経済活動と人間が切ってもきれない関係だということを認識していて、現在の日本人が、経済活動(お金儲け)を悪いことだと思っている現状を憂えています。

2000年から2005年にかけてIT分野で目立っていたベンチャーブームも、一部の成功者がお金を儲けた姿を見て国民が嫌悪した結果、ベンチャー潰しが起きて、今や、優秀な若者がめざすのは「公務員」という、発展性のない状況になっていると嘆いています。

その点は、私もまったく同感です。
この人口減=税収減の世の中で、公務員めざすヤツばっか増えてどうすんねん!
若者はどんどん金儲けにチャレンジして、雇用創出、経済活性化に尽力せんかい!

と思ってます。。がんばれ、若者!

というわけで、これは、経済や歴史に興味ある人なら、けっこう楽しく読める本だと思います。オススメ。

【読書】マルガレーテ・シュタイフ

By , 2010 年 12 月 19 日 4:30 PM

幼い頃に病気で車いす生活になったマルガレーテ・シュタイフという女性が、あのテディベアとして知られるようになる熊のぬいぐるみで大成功するまでを描いた伝記です。子ども向けの本として書かれたみたいです。
身体障害で苦労した少女時代のことがページ数のほとんどをしめているんだけど、最後になって怒濤のように事業化→国際化→大成功していきます。

19世紀の後半の話ですから、熊やぞうのぬいぐるみなどという子どものおもちゃは、家庭で、主婦が、はぎれで作るのが当たり前だったのですが、それが商品として売れるようになったのは、産業革命が起き、現金収入のある中流家庭が増えていく時代の流れだったように思えます。

それから、くまのぬいぐるみくらい誰でも作れたはずですが、なぜマルガレーテ・シュタイフがそれを事業化できたかというと、

1,マルガレーテは身体障害があり結婚できる見込みがなかったので、自分の力で生涯、収入を得られる道を探す必要にかられていた。
2.兄弟が、当時の新素材フェルトの製造工場を作るようなベンチャー起業家であり、マルガレーテに素材を提供し、事業化をすすめ、海外へ販売ルートを展開するなどの手助けをした。

という2つの要因があったようです。
特に2の、兄弟や家族からの直接的支援があったことが、事業化には大きく役立ったと思われます。
それにプラスして、たまたまアメリカでルーズベルト大統領の逸話がもとで熊のぬいぐるみが流行した(参考:テディベア – Wikipedia)など、偶然の幸運に恵まれたということもあります。

でもそれ以上に、このプロセス全体が、当時のヨーロッパが個人消費の増大に向けて動き始めていたという、大きな時代の流れにうまく乗ったという印象があります。

新規ビジネスというのは、こんなふうに、自分が使えるアドバンテージを最大に生かして(素材が手に入るとか、海外に販売するルートを作れるとか)、その時点で世の中に流通していないものを作り、それを流行させることでしか、成功しないんじゃないかなと思います。

WEBの世界は栄枯盛衰がめまぐるしくて誰が勝ち組が分からないけど、facebookやtwitterだって、使えるアドバンテージ(創業者自身の技術やノウハウ)を生かして、その時点で世の中に流通していないサービスを作り、うまいことユーザーを取り込んでシェアを増やしてきました。

ルーズベルト大統領にあたる存在が、オバマ大統領をはじめとする有名人で(facebookもTwitterも、有名人が使っているということで人気が高まりました) 
最初から国内ではなく世界で売ることを想定しているのもマルガレーテ・シュタイフと同じですね。

そして今の世界がWEBサービスというものにお金を消費してくれる時代になっていたならば…facebookもTwitterも大成功間違いないんでしょうが…そのへんが微妙かも。。

あと、1のような「生活のためにお金が必要だから」という状況が、ビジネスの成功を後押しするのも起業には大切なポイントです。

マルガレーテが健常者で、家庭の主婦だったとしたら、女だてらに従業員をやとって工場を経営するなど、言語道断、ダメ女の烙印を貼られたかもしれません。
マルガレーテの場合は、誰が見ても仕事をしないといけない状況だったので、周囲は足をひっぱるのではなく、進んで手助けをした、ということもあると思います。

100年以上たった現在でも同じで、お金が必要だから起業する、というのは万人に分かりやすく、受け入れてもらいやすい状況なので、支援してくれる人も見つかりやすいでしょう。同じ仕事を頼むなら、経済的に安定してて、片手間にやっている主婦やサラリーマンの副業の人より、その仕事に生活がかかっている人のほうが、ちゃんとやってくれそうで安心です。
まあ、能力と人物次第ではありますが…。

…というわけで、経済的な困窮は、起業の追い風と言えるでしょう。

今日は、子ども向けの伝記を読んでベンチャー企業のノウハウを学んだ、というお話しでした。いじょ!

【本】楽園/宮部みゆき

By , 2010 年 10 月 11 日 4:52 PM

重苦しいテーマかもしれないけど、宮部みゆきらしい語り口で、良かった。
人物の造形がすばらしいですね。やっぱり。
なんてことのないやりとりの中に「ほろり」とさせるものがあって、「なんでここで」と思うような場面で何度も泣けました。

でも私はどっちかっていうと宮部みゆきは時代物のほうが好きだなぁ。
あの「語り」が、時代劇に向いてるんじゃないかしら。よくわからないけど。

それから、来週の日曜から、WOWOWで「マークスの山」の放送が始まります。
http://www.wowow.co.jp/dramaw/marks/

高村薫は、宮部みゆきとは違った意味で、すごいと思う女性作家のひとりです。
軽快なテンポと人情味あふれる人物描写が身上の宮部みゆきに対して、高村薫の場合は、とにかく書くべきと思ったことは一字一句余さず書く!という感じで、非常に硬質なイメージです。時々、NHK教育などにチラッと出演してるのを見かけた印象では、文体がそのまま人間になったような、純粋でまっすぐで繊細だけど強い意志を持った感じの人。

文体は人物を表す?

日本人の女性作家では、宮部みゆき・高村薫・塩野七生の3人が、私の憧れです。
海外では…たくさん思い浮かびすぎて絞れません(>_<)
そのうちランキング考えてみたいなぁ。

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